鉛とカドミウムの適用除外用途追加
2011年9月8日付で、RoHS指令に適用除外用途が追加されました。
追加されたのは鉛とカドミウムの用途2種類で、2011年9月10日にEU官報で2011/534/EUとして公布されています。
鉛はNo.7(c)-W、カドミウムはNo.40に追加になります。
【適用除外用途追加分】
- 7(c)-IV
Lead in PZT based dielectric ceramic materials for capacitors being part of integrated circuits or discrete semiconductors
集積回路またはディスクリート半導体の部品であるコンデンサのためのPZT系誘電体セラミック材料中の鉛 - 40
Cadmium in photoresistors for analogue optocouplers applied in professional audio equipment
プロフェッショナル用のオーディオ機器で利用されるアナログ・オプトカプラのためのフォトレジスタ中のカドミウム
和訳するとこのような内容になると思いますが、集積回路とはICやLSIなどを指し、ディスクリート半導体とは個別半導体とか単機能半導体とも呼ばれている、コンデンサやダイオード、トランジスタなどの1つの機能のみを有する単純な半導体の総称です。
オプトカプラとは光カプラやフォトカプラとも呼ばれている製品のようですが、これらが呼び方の違いなのか、違うものを指しているのか、管理人にはちょっと判断つきません。この分野に関わっておられる方ならよくご存知と思いますので、原文と見比べてみてください。
※オプトカプラとGoogleで検索すると、フォトカプラの結果が多く返ってきます。
オプトカプラは一般的な名称ではないのかもしれないですね。
適用除外用途の期限
改正RoHS指令の適用除外用途の項目では、全てではないですが、期限が定められている用途があります。
今回追加になった2項目のうちの「オーディオ機器用のカドミウム」にも2013年12月31日に期限満了と、期限が定められています。
※現在では、7(c)-Wと40の2つの適用除外用途については、2012年12月8日のEU官報で正式に2011/65/EUの適用除外用途としてAnnexVに追加されています。
改正RoHS指令に適用除外用途2種類が追加関連記事
- 適用範囲とカテゴリ
- EUの新RoHS指令(2011/65/EU)は、対象範囲を拡大して改正され、2011年7月21日に発効しました。
- 対象製品の規制開始日
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)では、医療用機器、監視・制御装置、その他の電気電子機器の3つのカテゴリで新たに規制が開始されます。
- 適用除外製品
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)では、全11カテゴリが指定されていますが、適用除外製品が指定されています。
- めっきの六価クロム含有濃度計算方法
- RoHS指令対応で問題になる代表的なものがめっきのクロメート皮膜に含有されている六価クロムです。クロメート皮膜中の六価クロムはどのように計算すればよいでしょうか。
- RoHS指令での均質材料の定義
- RoHS指令では、均質材料(均一材料)中の規制物質の濃度を計算する必要があります。均質材料の定義とは?
- 規制物質と最大許容濃度
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)では、新たに規制が開始される追加の制限物質(禁止物質)はありませんが、REACH規則を考慮して定期的に見直す物質として、4物質が挙げられています。
- 規制物質含有濃度の計算方法
- RoHS指令では、規制物質の含有濃度は質量%(重量%)で計算されます。単位はwt%です。どのように計算すればよいのでしょうか。
- 新規追加物質とREACH規則
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)で規制される物質は旧RoHS指令(2002/95/EC)で規制されていた6物質のままで新規の追加はありませんでしたが、定期的に見直す物質として4物質が挙げられています。
- 改正RoHS指令の適用除外用途一覧とANNEXV・Wの関係
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)では、カテゴリ8、9専用の適用除外用途の付属書が作成されました。
- RoHS2(改正RoHS指令)の修正官報公布
- 改正RoHS指令(2011/65/EU)の修正官報が2017年11月21日に公布されました。修正内容の概要をまとめます。