旧RoHS指令の要点まとめ


英国は2020年2月1日、EUから離脱しました。(「合意なき離脱(ノー・ディール)」は回避されました)
英国へ製品を輸出している企業やその企業に関連する商流にある企業については、RoHSを含めたCEマーキングに代わる対応が新たに必要になる可能性があります。
※ちなみにUKCAマーキングについてはJETROの概要解説ページを参考に。

旧RoHS指令のまとめ

「RoHS」の読み方

RoHS指令の「RoHS」の読み方は、ローズ、ロース、ロス、ロハスなど、人によってさまざまです。「ローズ、ロース、ロス」あたりの読み方が多いように思います。

 

改正RoHS指令が施行されている現在、「RoHS指令:2002/95/EC」は、旧RoHS指令またはRoHS1と呼ばれています。
本サイトでは、「RoHS指令:2002/95/EC」をRoHS1と表記しています。

 

 

RoHS指令の目的

RoHS指令は簡単にいうと「環境被害を発生源で対策するために、廃棄量の多い電気電子機器に含有する有害化学物質を削減しよう」というのが大まかな目的です。

 

RoHS指令はWEEE指令と密接に関係していますが、RoHS1の本文には、「人の健康の保護ならびに電気電子機器廃棄物の環境に優しい回収および廃棄に寄与すること」とあり、廃棄物になる前、つまり電気電子機器を製作する時点で有害化学物質の含有を防止するというところに焦点を当てていることが分かります。

 

 

禁止物質および含有最大濃度(閾値)

対象となる有害化学物質、つまり禁止物質(規制物質)は以下の6物質(群)で、各々、均質物質中の含有最大濃度が定められています。

  • 鉛、水銀、六価クロム、PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル):0.1%(1,000ppm)
  • カドミウム:0.01%(100ppm)

 

 

対象製品(品目)・対象カテゴリ

対象製品の概略は、交流(AC)1,000Vおよび直流(DC)1,500Vを越えない電圧範囲で使用される電気電子機器です。電気電子機器は10種類のカテゴリに分かれていますが、対象となっているのは「カテゴリ1〜7および10」の8つのカテゴリに該当する機器です。

 

ただし、気をつけなくてはならないのはカテゴリ1と2の「家庭用」という文言で、産業用(業務用、工業用)であっても該当する場合があります。
詳しくはこちらのRoHS指令(RoHS1)とWEEE指令の関係、対象カテゴリを参照ください。

 

  • 大型家庭用電気機器(大型家電)
  • 小型家庭用電気機器(小型家電)
  • 情報技術(IT)および電気通信機器
  • 民生用電子機器
  • 照明器具
  • 電気電子工具(据付型大型産業用工具を除く)
  • 玩具、レジャーおよびスポーツ用品
  • 自動販売機

 

 

適用除外用途

RoHS指令では、「科学技術上の観点から代替が困難である」または「代替物質によって引き起こされる健康と環境への悪影響が代替物質によるそれへの便益を上回ることが予想される」場合、規制物質(有害化学物質)を閾値を超えて使用してもよいという、免除措置が設けられています。

 

RoHS1ではAnnex(付属書)で10項目の適用除外用途(適用除外項目)が指定されていましたが、追加や削除が随時行われています。
最新の適用除外用途一覧はこちらのRoHS指令の適用除外用途一覧カテゴリページを参照ください。

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