新RoHS指令でのスコープ対象外機器


英国は2020年2月1日、EUから離脱しました。(「合意なき離脱(ノー・ディール)」は回避されました)
英国へ製品を輸出している企業やその企業に関連する商流にある企業については、RoHSを含めたCEマーキングに代わる対応が新たに必要になる可能性があります。
※ちなみにUKCAマーキングについてはJETROの概要解説ページを参考に。

RoHS指令改正:いつまでに対応を完了しておけばよいか

改正RoHS指令では、全11カテゴリを規制対象機器として指定していますが、以下の装置に関しては適用が除外されています。

 

番号 原文 和訳
a equipment which is necessary for the protection of the essential interests of the security of Member States, including arms, munitions and war material intended for specifically military purposes 軍事目的のための武器、軍用品、戦争資材を含む加盟国の安全と利益の保護のために必要な装置
b equipment designed to be sent into space 宇宙に送られるように設計された装置
c equipment which is specifically designed, and is to be installed, as part of another type of equipment that is excluded or does not fall within the scope of this Directive, which can fulfil its function only if it is part of that equipment, and which can be replaced only by the same specifically designed equipment この指令のスコープの適用除外か適用範囲外の機器の一部として特注で設計されて設置され、それがその装置の一部分の機能のみを満たし、同じく特注の装置のみで置き換えられる装置
d large-scale stationary industrial tools 大規模な据付型の産業工具
e large-scale fixed installations 大規模な固定式の設備
f means of transport for persons or goods, excluding electric two-wheel vehicles which are not type-approved 型式認可されていない電動二輪車を除く人または貨物のための輸送の手段
g non-road mobile machinery made available exclusively for professional use プロユース(専門的な用途)限定でのみ利用する非道路用モバイル機器
h active implantable medical devices 埋め込み型能動型医療機器
i photovoltaic panels intended to be used in a system that is designed, assembled and installed by professionals for permanent use at a defined location to produce energy from solar light for public, commercial, industrial and residential applications 一般用、商業用、産業用、住宅用としてエネルギーを太陽光から作り出し、永久的に使用するために専門家によって組み立てられて設置されるよう設計されたシステムで使用されることを意図した太陽電池パネル
j equipment specifically designed solely for the purposes of research and development only made available on a business-to-business basis BtoB(企業間ベース)のみで利用可能な、研究開発だけのために特別に設計された機器

 

CEマーキングとの関係

改正RoHS指令では、仮にこの適用除外製品に該当していてもCEマーキングの対象製品となっている場合には、RoHS指令対応(規制対象物質の含有禁止)が求められるので注意が必要です。

 

CEマーキングは、その装置に当てはまる全ての指令について適合していることを条件にCEマークを貼付しています。
ですので、今まで例えばEMC指令、機械指令などに該当していてCEマークを貼付していた製品なら、RoHS指令にも適合させなければCEマークを貼付することができなくなります。
ただし、2011年7月1日の改正RoHS指令公布時点で、CEマーキングの整合規格は決まっていません。

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