新RoHS指令:改訂後の適用開始日


英国は2020年2月1日、EUから離脱しました。(「合意なき離脱(ノー・ディール)」は回避されました)
英国へ製品を輸出している企業やその企業に関連する商流にある企業については、RoHSを含めたCEマーキングに代わる対応が新たに必要になる可能性があります。
※ちなみにUKCAマーキングについてはJETROの概要解説ページを参考に。

RoHS指令改正:いつまでに対応を完了しておけばよいか

改正RoHS指令では、旧RoHS指令で適用となっていた8つのカテゴリ製品以外の、適用除外になっていた2つのカテゴリ製品と新しく追加されたカテゴリが適用になります。
新規に規制対象として追加になるのは、適用除外になっていたカテゴリ8(医療用機器)、カテゴリ9(監視及び制御装置)および新しく追加されたカテゴリ11(その他の電気電子機器)です。

 

カテゴリ8の医療用機器については、改正RoHS指令(2011/65/EU)で、以下のように明示されています。

  • 医療機器

    指令93/42/ECの第1条(2)(a)の意味に含まれる医療用の機器

  • インビトロ診断用医療機器(体外診断用医療機器)

    指令98/79/ECの第1条(2)の(b)の意味に含まれるインビトロ診断用医療機器

  • 工業用監視・制御機器

    もっぱら工業用又は職業上の用途のために設計された監視・制御機器

 

これらの指令は、CEマーキングの整合規格になっているので、改正RoHS指令の対象か非対象がをすぐに判断できるかもしれません。

 

適用開始時期

新たに規制が開始されるカテゴリ8、カテゴリ9、カテゴリ11については各々適用開始日が異なります。

 

適用開始時期については、

  • 医療用機器と監視・制御機器:発効後3年
  • インビトロ診断用医療機器(体外診断用医療機器):発効後5年
  • 工業用(産業用)監視・制御機器:発効後6年
  • その他の電気電子機器:発効後8年

となっていますので、カテゴリごとに適用開始日をまとめると以下のようになります。

 

カテゴリ
No.
原文 和訳 適用開始
1 Large household appliances 大型家電製品 2006年7月1日
2 Small household appliances 小型家電製品 2006年7月1日
3 IT and telecommunications equipment IT及び通信機器 2006年7月1日
4 Consumer equipment 民生用機器 2006年7月1日
5 Lighting equipment 照明機器 2006年7月1日
6 Electrical and electronic tools 電動工具(大型据付式産業用機械を除く) 2006年7月1日
7 Toys, leisure and sports equipment 玩具、レジャー及びスポーツ機器 2006年7月1日
8 Medical devices 医療用機器 2014年7月22日
In vitro diagnostic medical devices インビトロ診断用医療機器(体外診断用医療機器) 2016年7月22日
9 Monitoring and control instruments including industrial monitoring and control instruments 監視及び制御機器 2014年7月22日
Industrial monitoring and control instruments 工業用監視・制御装置 2017年7月22日
10 Automatic dispensers 自動販売機 2006年7月1日
11 Other EEE not covered by any of the categories above 上記のカテゴリに適用されないその他の電気電子機器 2019年7月22日

 

適用開始日以降に非RoHS適合品は上市できませんので、それまでに規制対象物質を含有しない製品にする必要があります。
※除外用途項目を除く規制対象物質(有害物質)の含有品のこと

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