RoHS指令改正案で4物質を指定(2008年12月)
RoHS指令改正案が2008年12月3日に公開されていますが、改正案の内部指令案で指定されていた5物質については新規の追加規制物質とはせず、優先的に評価する物質として付属書Vに4物質が記載されています。
- 注)
付属書Vは、優先的に評価する物質として明記・記載されているわけではないのですが、(EC)No.1907/2006(REACH規則)の第69条から72条の手続きに則って見直しするとあり、次期追加物質候補といわれたり、事実上の新規追加規制物質ともいわれています。
RoHS改正案 付属書V掲載の優先評価する4物質
RoHS改正案の内部指令案では5物質が候補として提案されていましたが、2008年12月の改正案ではテトラブロモビスフェノールA(TBBP-A)が削除されています。
RoHS指令改正案で優先的に評価するよう指定された4物質は、以下のとおりです。
英語表記の物質名 [略した名称他](日本語訳、慣用名他):CAS No.の順で記載しています。 用途、別名などの詳細は個別ページで解説します。
- Hexabromocyclododecane[HBCD(HBCDD)]ヘキサブロモシクロドデカン:3194-55-6
(異性体混合物のCAS No.は25637-99-4)
- Bis (2-ethylhexyl) phthalate[DEHP]フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:117-81-7
- Butyl benzyl phthalate[BBP]フタル酸ブチルベンジル:85-68-7
- Dibutylphthalate[DBP]フタル酸ジ-n-ブチル(フタル酸ジブチル):84-74-2
関連記事 : RoHS追加物質→評価指定5物質一覧(2008年11月)
新規規制物質から外れた5物質
RoHS指令の新規の追加規制物質の候補としては、当初、コンサル会社であるOko-Institutからの提案で、9物質が挙げられていましたが、最終的に以下の5物質は提案から外れています。
- Tetrabromo bisphenol A[TBBP-A](テトラブロモビスフェノールA)
- Medium-chained chlorinated paraffins[MCCP](中鎖塩素化パラフィン)
- Short-chained chlorinated paraffins[SCCP](短鎖塩素化パラフィン)
- Nonylphenol/Nonylphenol ethoxylates(ノニルフェノール/ノニルフェノールエトキシレート)
- Organochlorine and organobromine compounds(有機塩素剤/有機臭素化合物)
今回の改正RoHS指令案では新規の規制追加物質とはなりませんでしたが、REACHのSVHCやノルウェーのPoHS(スーパーRoHS法)で提案されている物質もあり、今後の動向に目が離せません。
最新情報には目を光らせておきたいところです。
関連記事 : RoHS追加候補9物質一覧(2008年6月)
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