改正RoHS指令の禁止追加物質



RoHS2禁止物質が6物質から10物質へ

RoHS2の規制概要はこちらでまとめています。

 

2015年6月4日、RoHS2の禁止物質(制限物質)を定めた2011/65/EUのAnnexUを置き換える(EU) 2015/863が公布されました。

 

官報はこちらのP10から。

 

Commission Delegated Directive (EU) 2015/863 of 31 March 2015 amending Annex II to Directive 2011/65/EU of the European Parliament and of the Council as regards the list of restricted substances

 

この官報公布により、RoHS2の禁止6物質に4物質が追加され、規制される物質は合計10物質になりました。

 

禁止(制限)10物質と閾値

(EU) 2015/863で定められた(置き換えられる)禁止10物質と規制される濃度(閾値)は以下のとおりです。追加になった4物質はいずれもフタル酸系の物質です。

 

禁止物質

規制濃度(閾値)

備考

0.1wt%(1,000ppm)

 

水銀

0.1wt%(1,000ppm)

 

六価クロム

0.1wt%(1,000ppm)

 

PBB(ポリブロモビフェニル)

0.1wt%(1,000ppm)

 

PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)

0.1wt%(1,000ppm)

 

カドミウム

0.01wt%(100ppm)

 

DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)

0.1wt%(1,000ppm)

新規追加物質

BBP(フタル酸ブチルベンジル)

0.1wt%(1,000ppm)

新規追加物質

DBP(フタル酸ジ-n-ブチル)

0.1wt%(1,000ppm)

新規追加物質

DIBP(フタル酸ジイソブチル)

0.1wt%(1,000ppm)

新規追加物質

 

追加された4物質は、2015年6月現在、日本国内で普通に使用されている物質もあります。
特にDEHPは電線の被覆やプラスチック類などのの可塑剤として使用されていますが、今後、RoHS2の禁止物質に追加されたことから、代替化が進むと考えられます。

 

規制開始時期

今回追加された4物質を含め、合計10物質の規制が始まる時期は、カテゴリによって定められています。

  • カテゴリ1〜7、10、11:2019年7月22日
  • カテゴリ8、9:2021年7月22日

 

改正RoHS指令2011/65/EUで初めて追加になったカテゴリ11の規制開始も2019年7月22日であることに注意が必要です。

 

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