アメリカの化学物質規制



対象製品が幅広い化学物質規制

カリフォルニア州のプロポジション65の対象物質(化学品)リストの最新版が公表されました。
化学物質が追加されて、2012年11月2日付で更新されたようです。

 

プロポジション65とは、正式名称:Proposition65 Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986(1986年 安全飲料水および有害物質施行法)で、作業者や消費者が有害物質に暴露する可能性がある場合、事前に警告(告知)することを義務付けている米国カリフォルニアの州法です。
「有害物質」とは発がん性物質や生殖毒性物質、「暴露」とは物理的な体表面への接触、摂取、吸入(吸引)などが定義されています。
※「安全飲料水」とあるように、対象物質の飲料水への排出も禁止されています。

 

 

プロポジション65の対象製品・規制値

毎年数物質程度のペースで物質が追加になっていますが、RoHS指令のようなインパクトがないというか、HOTな話題になりづらいためか、あまり気にしていない企業も多いのではないでしょうか。

 

ですが、2002年から2003年くらいに、大手家電品メーカ(産業機器メーカも含みますが)をはじめとする100社以上のメーカが、環境保護活動を行っているNGOの提訴に対する和解に応じたこともある、とても重要な規制です。
この提訴は、「電線・コード類に含有する鉛について、人への暴露の可能性があるのに警告表示がなかった」という内容でした。
(ちなみにこの時に、電線類に含有する鉛濃度:300ppm未満という閾値ができたものと考えられます。)

 

プロポジション65に「対象製品」という明確な適用範囲の指定はなく、「暴露」する可能性があるもの、つまり物理的な体表面への接触、摂取、吸入(吸引)の可能性があるもの全てが対象製品になります。
また、閾値(規制濃度)は全ての物質で定められているわけではありません。
和解協定などを含む一部において閾値が設定されているものもありますが、一律に決まった規制値はなく、分かりにくい法律としても有名です。

 

有害性の警告をしなかった場合の罰則(罰金)は、1日1製品1台あたり2,500ドルなので、無視できない規制といえるでしょう。

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