水銀に関する国際的な規制



水銀に関する水俣条約の規制内容・適用開始日等

有毒である水銀について、採掘、製造や輸出、輸入を禁止する「水銀に関する水俣条約」が2013年10月10日、採択されました(一部、適用除外用途があります)。
電気電子製品で主に関係するのは「水銀添加製品」になりますが、具体的な規制対象製品と規制開始期限は条約の付属書A(AnnexA)に定められています。
適用除外用途、規制対象製品、規制開始期限は以下のようになりました。

 

2013年10月現在、日本では具体的にどの法律で規制されるかはまだ決定していないようです。

 

適用除外用途

(a)市民の保護及び軍事的用途に不可欠な製品
(b)研究、計測器の校正及び参照の標準としての使用を目的とする製品
(c)水銀を含まない実現可能代替製品によって交換することができない場合における

スイッチ 及び継電器(リレー)、電子ディスプレイ用の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)及び

外部電極蛍光ランプ(EEFL)並びに計測器

(d)伝統的な慣行又は宗教上の実践において使用される製品
(e)保存剤としてのチメロサールを含むワクチン

 

規制対象製品
  • 電池(水銀含有量2%未満のボタン型亜鉛酸化銀電池及び水銀含有量2%未満のボタン型空気亜鉛電池を除く)
  • スイッチ及び継電器(リレー)(極めて高い正確さの容量及び損失を測定するブリッジ並びに監視及び制御のための装置に用いる高周波無線周波数のスイッチ及び継電器であって、ブリッジ、スイッチ又は継電器あたりの水銀含有量が最大20mgのものを除く)
  • 灯口当たりの水銀含有量が5mgを超える30ワット以下の一般的な照明用コンパクト蛍光ランプ(CFLs)
  • 次のものに該当する一般的な照明用の直管蛍光ランプ(LFLs)

(a)電球当たりの水銀含有量が5mgを超える60ワット未満の三波長型蛍光体を使用したもの
(b)電球当たりの水銀含有量が10mgを超える40ワット以下のハロリン酸系蛍光体を使用したもの

  • 一般的な照明用の高圧水銀蒸気ランプ(HPMV)
  • 次のものに該当する電子ディスプレイ用の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)と外部電極蛍光ランプ(EEFL)

(a)電球当たりの水銀の含有量が3.5mgを超え、及び長さが500mm以下のもの
(b)電球当たりの水銀の含有量が5mgを超え、及び長さが500mm超1,500mm以下のもの
(c)電球当たりの水銀の含有量が13mgを超え、及び長さが1,500mm超のもの

  • 化粧品(水銀含有量が1ppmを超えるもの)。肌の美白用石けん及びクリームを含むが、水銀を保存剤として使用する場合において効果的かつ安全な代替の保存剤が利用可能でないときは、眼の周辺の化粧品を含まない。
  • 駆除剤、殺生物剤及び局所消毒剤
  • 次に掲げる非電気式の測機器(水銀を含まない適当な代替製品が利用できない場合において大規模な装置に取り付けられたもの又は高精密度の測定に使用されるものを除く)

(a)気圧計
(b)湿度計
(c)圧力計
(d)温度計
(e)血圧計

 

規制開始期限

規制開始期限(含有禁止開始年):2020年(上記全ての規制対象製品について)

 

 

付属書Aについて

以上のように、付属書Aには、製造・輸出入が禁止される水銀添加製品と禁止時期が記載されています。
もともと付属書Cに記載されていたようですが、最終案では付属書Aに記載されています。ですので、インターネットで検索したときに付属書Cと書かれている和訳は、内容はほぼ同一と考えられますが、言葉や言い回しが若干違っています。

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