フタル酸エステル規制:電気電子機器も延期へ
デンマークでフタル酸エステル類に関する規制が公布されたことを
デンマークのフタル酸エステル規制のページで紹介しましたが、2013年12月の発効予定を2年延期するという情報が5月21日に発表されました。
規制開始日の延期
もともとの公布内容(発効日)は、
- 電気電子機器以外の製品:2013年12月1日
- 電気電子機器製品:2014年12月1日
となっていましたが、その後、デンマークの環境省から「Phthalate strategy」(フタレート戦略)が発行され、最終的には、発効日は以下のように変更になりました。
- 電気電子機器以外の製品:2015年12月1日
- EU RoHS指令※に該当する電気電子機器:2016年12月1日
※EU RoHS指令:(RoHS2;Directive 2011/65/EU)
規制物質
規制物質である4種類のフタル酸エステル類に変更はありません。
- DEHP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))
- DBP(ジブチルフタレート)
- BBP(ベンジルブチルフタレート)
- DIBP(ジイソブチルフタレート)
エビデンスは、デンマーク環境省発行の「フタレート戦略」から。
「Phthalate strategy」のページの「Download the publication」のリンクから本文がダウンロードできます。
この本文中に、適用時期が明記されています。
3.3.1 National regulation
Furthermore, 2012 saw the introduction of a national ban on the four phthalates DEHP, DBP, DIBP and BBP in concentrations above 0.1% in products for indoor use and products that can come into direct contact with the skin or mucous membranes (Statutory Order no. 1113 of 26 November 2012).
This ban is applicable from 1 December 2015, however for electrical and electronic equipment covered by the RoHS Directive (Directive 2011/65) not until 1 December 2016.
フタル酸エステルはRoHS2でも優先的に評価されるべき物質として挙げられている物質です。
延期になったとはいえ、今後を見越して削減の方向で代替化を進めたほうがよさそうです。
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