POPs条約 新規追加物質（2009年5月）
POPs条約（ストックホルム条約とも呼ばれています）は、残留性有機汚染物質（POPs）の製造および使用の禁止、排出の削減についての規制です。
POPs条約の付属書に追加された物質は、日本では化審法によって規制されることになります。
POPs条約の新規追加物質として、締結国会議ではさまざまな物質が検討されますが、2009年5月に行われたCOP4で付属書に追加が決定された新規POPsは次のようになります。
POPs条約 新規追加の9種類の物質一覧（2009年5月、COP4）
POPs条約の付属書A、B、Cで規制される物質の一覧です。 物質名、CAS No.（CAS番号）の順に記載しています。
1. 付属書A（製造・使用等の禁止）への新規追加物質
- テトラブロモジフェニルエーテル：40088-47-9、
ペンタブロモジフェニルエーテル：32534-81-9
用途：プラスチック難燃剤（当該物質を含有する製品のリサイクルは適用除外） - クロルデコン：143-50-0
用途：農薬
- ヘキサブロモビフェニル：36355-01-8
用途：プラスチック難燃剤
- リンデン（γ−ＨＣＨ）：58-89-9
用途：農薬（アタマジラミ、疥癬の医薬品用の製造と使用は適用除外）
- α−ヘキサクロロシクロヘキサン：319-84-6
用途：リンデンの副生物
- β−ヘキサクロロシクロヘキサン：319-85-7
用途：リンデンの副生物
- ヘキサブロモジフェニルエーテル36483-60-0、
ヘプタブロモジフェニルエーテル：68928-80-3
用途：プラスチック難燃剤（当該物質を含有する製品のリサイクルは適用除外）
2. 付属書B（製造・使用等の禁止）への新規追加物質
- ペルフルオロオクタンスルホン酸（PFOS）：1763-23-1とその塩、
ペルフルオロオクタンスルホン酸フルオリド（PFOSF）：307-35-7
用途：撥水撥油剤、界面活性剤（写真感光材料、半導体用途、フォトマスク、医療機器、金属メッキ、泡消火剤、カラープリンター用電気電子部品、医療用CCDカラーフィルターなどは適用除外）
3. 付属書A（製造・使用等の禁止）およびC（非意図的生成による排出の削減）への新規追加物質
- ペンタクロロベンゼン：608-93-5
用途：農薬
POPs条約の詳細情報ついては、POPs条約ホームページ より入手できます。
英語です。和訳ではありません。
PFOSとその塩のCAS No.
POPs条約やEUのPFOS規制で規制されるPFOSですが、「PFOSとその塩」として規制される場合、注意が必要になります。
単純にPFOSという場合は、パーフルオロオクタンスルホン酸またはペルフルオロオクタンスルホン酸という「酸」の状態を指していますが、「その塩」という場合には、酸の状態であるPFOSとは物質が異なります。
PFOSのCAS No.は、1763-23-1です。
PFOSの塩にはいろいろありますが、代表的な物質のCAS No.には次のようなものがあります。
- PFOSのアンモニウム塩：29081-56-9
- PFOSのカリウム塩：2795-39-3
- PFOSのリチウム塩：29457-72-5
- PFOSのジエタノールアミン(DEA)塩：70225-14-8
ただ単純にPFOSのことを指しているのか、PFOSの塩を含んで指しているのかによって、対象となる物質やCAS No.の範囲が違ってくるので注意が必要です。
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