DEHP、DBP、DIBP、BBPの規制法



デンマーク独自でフタル酸エステル類(DEHP、DBP、DIBP、BBP)を規制

デンマークでフタル酸エステル規制が正式に公布されました。
EU域内の統一された規制、例えば指令や規則ではなく、デンマーク独自の法律です。

 

いろいろと噂はあったのですが、EU法に違反しているということで、規制開始は見送られるのではないかという話も出ていました。
しかし2012年11月30日、正式にデンマークの官報に公布されています。
規制の主な内容は以下のとおりです。

 

デンマークのフタル酸エステル規制規制概要

概要

4種類のフタル酸エステル類(DEHP、DBP、DIBP、BBP)のうちの1つ以上を0.1wt%を超える濃度で含有している製品の輸入、販売を禁止する規制。

 

規制物質
フタル酸エステル類 物質名 物質名和訳 CAS No.
DEHP Bis (2-ethylhexyl) phthalate フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) 117-81-7
DBP Dibutyl phthalate ジブチルフタレート 84-74-2
BBP Benzyl butyl phthalate ベンジルブチルフタレート 85-68-7
DIBP Diisobutyl phthalate ジイソブチルフタレート 84-69-5

 

 

適用範囲
  • 室内向け製品
  • 皮膚、粘膜に接触する可能性のある部品を含む製品

 

適用除外
  • 医療機器
  • 玩具
  • 薬品のインナーシール
  • 幼児向け製品(DEHP、DBP、BBP)
  • 化粧品
  • 食品と接触する材料・製品
  • デンマーク要求を遵守した状態で販売されたUSED品

 

その他にも、移動式および固定式の生産設備等に使用する場合や自動車やトレーラー、船舶、列車、航空機、軍事用機器に使用される場合も適用除外になっています。

 

 

発効日
  • 電気電子機器以外の製品:2013年12月1日
  • 電気電子機器製品:2014年12月1日

<2013.07.22追記>
※公布後、規制の延期が決まりました。
詳しくは「デンマークのフタル酸エステル規制延期について」のページへ。

 

罰則
  • 罰金による処罰あり

 

 

フタル酸エステル類は主に、プラスチックなどの可塑剤として日本でも広く使用されています。
塩ビの可塑剤としてDEHPが含有されているのは有名ですし、フタル酸エステル類は電線(ケーブル類)の被覆材にも含有されていることが多く、プラスチックを使用している電機電子製品ならば、含有されていてもおかしくないといっていいほどの物質です。
日本では現状、普通に、一般的に使われているということです。
また、DEHP、DBP、BBPはRoHS指令の規制物質として追加になる可能性がある物質です。

 

EU法に違反しているとのことですが、デンマークへ輸出をしている製品がある場合は対応方法を検討したほうがよさそうです。

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