認可対象物質に決まった8物質のSVHC
こちらのページで紹介した認可物質リストへの追加候補8物質ですが、この8物質のSVHC（Candidate List収載物質）全てが認可物質リストに収載されることが決定しました。
認可物質の8物質のリスト
認可物質リスト（付属書ⅩⅣ）への追加8物質についての2010年12月3日プレスリリースはこちらから参照できます。（原文です。和訳ではありません。）
英語表記の物質名（日本語訳、慣用名他）：CAS No.の順で記載しています。
- Diisobutyl phthalate［DIBP］（フタル酸ジイソブチル）：84-69-5
- Diarsenic trioxide（三酸化二ヒ素）：1327-53-3
- Diarsenic pentaoxide（五酸化二ヒ素）：1303-28-2
- Lead chromate（クロム酸鉛）：7758-97-6
- Lead sulfochromate yellow (C.I. Pigment Yellow 34)
（黄鉛、C.I ピグメントイエロー34）：1344-37-2 - Lead chromate molybdate sulfate red (C.I. Pigment Red 104)
（硫酸モリブデン酸クロム酸鉛、モリブデン赤、C.I ピグメントレッド104）
：12656-85-8 - Tris(2-chloroethyl)phosphate［TCEP］（リン酸トリス(2-クロロエチル)）：115-96-8
- 2,4-Dinitrotoluene［2,4-DNT］（2,4-ジニトロトルエン）：121-14-2
フタル酸ジイソブチル（DIBP）は主に可塑剤としての用途がありますが、化学物質排出把握管理促進法（化管法）による製造・輸入量区分は10tとなっています。
可塑剤全体では数十万トンが流通していますが、SVHCとして特定されているフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)（DEHP）の製造量（使用量）が約半分を占めるようです。
先に認可物質として決まっていた以下の3種類のフタル酸エステル類の可塑剤に加え、今回の決定で、4種類の可塑剤に用途別の認可が必要になるということになります。
今後の動向に注意しましょう。
- Bis (2-ethyl(hexyl)phthalate) ［DEHP］ （フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)）
- Benzyl butyl phthalate [BBP] （フタル酸-n-ブチル＝ベンジル）
- Dibutyl phthalate [DBP] （フタル酸ジブチル）
第2次REACH 認可物質リスト追加8物質一覧（2010年12月）関連記事
- 第1次REACH認可対象6物質一覧
- REACHのSVHCは認可候補物質として決定されると、認可がないと輸入や製造・使用ができなくなり、認可された用途以外では使えなくなります。
- 第3次REACH認可物質：追加勧告13物質一覧（2011年12月）
- 2011年12月21日、ECHA（欧州化学品庁）は欧州委員会に対し、SVHC(Candidate List収載物質）のうち13物質を認可物質としてリスト（Annex ⅩⅣ）に収載するよう勧告しました。
- 第4次 SVHCの認可勧告10物質一覧（2013年1月）
- 2013年1月17日、ECHA（欧州化学品庁）は欧州委員会に対し、SVHC(Candidate List収載物質）のうち10 物質を認可物質としてリスト（Annex ⅩⅣ）に収載するよう勧告しました。
- 第3次REACH認可13物質追加勧告→8物質追加へ（2013年4月）
- 第3次認可物質として、2011年12月にECHAより13物質が追加勧告されていましたが、最終的にはコバルト化合物を除いた8物質が認可物質リスト（Authorisation List、付属書ⅩⅣ）に追加されました。
- 第5次 SVHCの認可勧告5物質一覧（2014年2月）
- 2014年2月10日、ECHA（欧州化学品庁）は欧州委員会に対し、SVHC(Candidate List収載物質）のうち5物質を認可物質としてリスト（Annex ⅩⅣ）に収載するよう勧告しました。
- 第4次 SVHC認可9物質一覧（2014年8月）
- REACH規則のSVHC(Candidate List収載物質）のうち、第4次認可物質として10物質を追加するよう勧告されていましたが、最終的に第4次追加分として9物質が認可物質としてリスト（Annex ⅩⅣ）に収載されました。