JGPSSIとJIGとの関係について



JGPSSIとJIGの関係について



 

JGPSSIとはグリーン調達調査共通化協議会の略です。
JGPSSIは、電気・電子業界でRoHS指令等の製品に関する環境規制・化学物質規制が強化されてきたことを受け、化学物質調査の対象物質や調査回答フォーマットを共通化・標準化することでRoHS指令対応などの化学物質調査にかかる労力を軽減しようという目的でできた組織です。

 

JIGとはジョイント・インダストリー・ガイドラインの略で、読み方は「ジグ」になります。
JIGは、JGPSSI、EIA(米国電子工業会)、EICTA(欧州情報・通信・民生電子技術産業協会)の共同作業で作成された電気・電子機器製品に関する含有化学物質調査のガイドラインになります。
JIGには、含有化学物質調査対象の化学物質情報はもちろんのこと、情報開示を必要とする濃度(閾値:しきい値)や現行法によるレベル分けされた物質リストなどが掲載されています。

 

JGPSSIでは、化学物質調査におけるフォーマットをExcelファイルで用意しています。
電気・電子業界での共通化を目指してガイドライン(JIG)を導入したりフォーマットを用意したりしているわけですが、なかなか業界内でも浸透していないのが現状です。 JGPSSIの会員企業でも、全てがJGPSSIのフォーマットを使用していないという現状もあります。 逆に、JGPSSIの会員企業ではないけれどJGPSSIフォーマットを使用している企業もあります。

 

RoHS指令を始めとした化学物質に関する製品への規制が厳しくなれば厳しくなるほど、サプライチェーン内での調査依頼が増えてきます。 川上メーカへは、JGPSSIのフォーマットで含有化学物質の調査依頼が突然来るということもありますし、各セットメーカ、製品メーカが独自に構築しているシステムを使って調査依頼をしてくることもあります。
JGPSSIのフォーマットはExcelですが、入力方法が分かりにくいため慣れるまでに時間がかかるという難点があります。 ですが、大手メーカの独自システムへの回答対応、入力作業も個々のシステムに応じて対応しなくてはならないため大変な時間がかかるものです。

 

JGPSSIでは化学物質調査のガイドラインとしてJIGを導入しています。 JIGで掲載されている化学物質の濃度・閾値などでの含有調査が統一化されればこんなに業界内が混乱することもなかったのでしょうが・・・。 やはり企業間での優位性を持たせたいという意思も働いたのでしょうか、現在でも電気・電子業界内で統一されてはいません。