EUのPFOS規制、GSマーク認証のPAH評価等の規制
EU(欧州連合)の化学物質規制でまず思い浮かぶ規制はRoHS指令やREACH規則だと思いますが、EUでは、RoHS、REACHだけでなく、化学物質の規制が数多くあります。
化学物質の規制の多くは指令であることが多く、国内法に落とし込みされることになります。 国内法が制定された後に、加盟国で適用されることになります。 REACHのような規則では、EU域内で統一された規制が直接適用されることになります。
EUの化学物質規制としては、例えば、
- PCB及びPCTの廃棄に関する指令
- PFOS規制(特定の危険な物質及び調剤(ペルフルオロオクタンスルホン酸:PFOS)の上市と使用の規制):76/769EECの付属書Iの改定
- 玩具の安全性に関する理事会指令
などがあり、EU加盟各国で制定されるている規制には、
- ドイツの日用品法令
- デンマークの玩具へのフタレート禁止命令
などがあります。
EU指令や規則ではないですが、ヨーロッパだけでなく、世界各国でも利用されているGSマーク認証などでも、PAH評価(多環芳香族炭化水素の評価)が必要になるなど、化学物質に関する規制はどんどん広がりを見せています。
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