RoHS2の規制6物質(群)、10物質(群)の「群」って何?


メルマガの内容を、図を使って詳しく説明した記事です。

 

RoHS2で制限されている(禁止されている)物質は6物質(群)から、フタル酸エステル類の4物質が追加されて10物質(群)になりました。

 

RoHS指令が公布されて日本語に訳され始めた頃は、「6物質」と言っていたのですが、最近は「6物質(群)」のように、「群」をつけて表記することも珍しくなくなりましたね。

 

ではこの「群」とは何を表しているのでしょうか。
6物質と6物質(群)では、何か違うのでしょうか?

 

RoHS2の禁止物質は6物質、10物質ではない

改正RoHS指令(RoHS2)で電機電子機器に含有させてはいけない物質のことを制限物質といいます。一般的には禁止物質ということが多く、規制物質や規制対象物質とも呼ばれます。

 

RoHS2ではもともと、

・鉛
・水銀
・カドミウム
・六価クロム
・ポリ臭素化ビフェニル(略:PBB)
・ポリ臭素化ジフェニルエーテル(略:PBDE)

の6物質が規制されていたわけですが、この禁止物質のうち、

・ポリ臭素化ビフェニル(PBB)
・ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)

は他の4物質と少し毛色が違います。

 

PBB、PBDEはどんな化合物なのか

PBB、PBDEのどちらも臭素がくっついている有機化合物です。

 

PBBはポリ臭化ビフェニルまたはポリブロモビフェニル、PBDEはポリ臭化ジフェニルエーテルまたはポリブロモジフェニルエーテルとも呼ばれます。

 

臭素化といったり、臭化といったり、ブロモといったりしていますが、全て同じものを指しています。

物質名が長くて面倒なので、PBB、PBDEと略して書きます。

 

 

PBB、PBDEの、この2つに共通するのは「ポリ臭素化」というところです。

 

「ポリ」は「複数」という意味を表す言葉なので、「ポリ臭素化」は、臭素が複数くっついている化合物ということを意味しています。

 

今、「ポリ」は複数といいましたが、PBB、PBDEに限って言えば臭素の数は1~10までになります。(1は複数ではないですけどね。)

 

つまり、PBB、PBDEはそれぞれPBBという物質、PBDEという物質というように1つの物質を表しているのではなく、10種類の物質をまとめて1つの言い方にしているということになります。

 

 

各々、臭素数が1~10までの物質名は以下のようになり、これらの物質全てが含有禁止の対象物質です。

これらの物質はくっついている臭素の数が違うだけなのでPBB、PBDEというように、一括りにして表記しているということですね。

 

 

例えば、臭素が3つ くっついた臭素化ビフェニルをトリ臭素化ビフェニルといいますが、イメージで表すとこんな感じです。

もう少し例を挙げましょうか。臭素が6つ くっついた臭素化ビフェニルならこんな感じです。ヘキサ臭素化ビフェニルといいます。

臭素が4つ、8つ くっついた臭素化ジフェニルエーテルだと以下のようなイメージです。各々、テトラ臭素化ジフェニルエーテル、オクタ臭素化ジフェニルエーテルといいます。

「群」は複数を表す言葉

まとめると、PBBについては10種類の物質のどの物質も含有禁止ということです。

例に挙げたトリ臭素化ビフェニルも含有禁止対象だし、ヘキサ臭素化ビフェニルも対象、例には挙げていませんがオクタ臭素化ビフェニルも対象です。

 

同じように、PBDEも10種類の物質のどの物質でも含有禁止対象です。

 

 

10種類の物質を一つ一つ全て書くのが面倒なのでPBBやPBDEという言葉でまとめて書いている、と考えてしまってもよいでしょう。

 

なので、6物質(群)といっている場合は、鉛、水銀、カドミウム、六価クロムは各々、1種類の物質(金属)で4物質、

・ポリ臭素化ビフェニル(PBB)
・ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)

は10物質ずつで20物質、合計24物質が規制の対象です。

 

フタル酸エステル類4物質の

・フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(略:DEHP)
・フタル酸ブチルベンジル(略:BBP)
・フタル酸ジ-n-ブチル(略:DBP)
・フタル酸ジイソブチル(略:DIBP)

を入れれば、合計28物質が規制対象ですね。

 

PBB、PBDEの各々が、あたかも1物質のように見えているので、「複数あるよ」という意味を表すために「群」という文字を入れることがあるということですね。

 

「群」の表し方のまとめ

ということでまとめると、RoHSで規制される物質は「6物質」あるいは「10物質」とは言うものの、実際は6物質ではなく「4物質+2物質群」あるいは「8物質+2物質群」であるということですね。

 

これをまとめて、6物質(群)、10物質(群)と書いています。

 

6物質と書いても、6物質(群)と書いてもRoHS2で意味している対象物質は変わりません。
もちろん、10物質と書いても、10物質(群)と書いても同じく、意味している対象物質は変わりません。

 


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