フタル酸エステル類の移行性について:2018年9月4日


今回は、
「フタル酸エステル類の移行性について」
というところを少しお話したいと思います。

 

と、その前に。

先回お話した、物質群の話、いかがでしたか?
イメージ、つかめましたか?

 

ブログのほうで、画像付でもう少し詳しく説明したので、
イマイチだった!という方、

こちらの物質群について解説したページを参照くださいませ。

 

 

本題に戻りますね。

 

RoHS2対応の、今のみなさんの関心ごとといえば、
「フタル酸エステル類の移行性」ですよね。

 

この「フタル酸エステル類の移行性」ですが、
10物質対応しなくてはいけない、というのが根底にはあるんですが、

 

「移行性」という言葉が
一人歩きしてしまっている感じもしています。

 

噂が噂を呼んで・・・みたいな。

 

 

とは言っても、フタル酸エステル類が移行するのは事実なので、
RoHS2対応しなくてはいけない電機電子業界は
かなり敏感になっているのが実態ですね。

 

で、おそらくこの「敏感になっている」というのが原因でしょうが、
電機電子業界でも動きが出てきています。

 

今、私のところに入っている情報だと、
業界団体で、このフタル酸エステル類の移行性について、
ガイダンスをまとめているとのこと。

 

ドラフト版はできているので、
もう少ししたら、最終版として公開されそうです。

 

ドラフト版というのは、公開案というか、原案のことですね。

 

どんなものもそうですが、ドラフト版ができた後に、
意見募集などがあったりして、出てきた意見などを元に見直し、
最終版になって公開される、こんな感じです。

 

それから、「もう少し」というのがどのくらいかというところまでは
情報として入っていないのですが、
数ヶ月内には公開されるんじゃないかと思ってます。

 

で、この移行性なんですが、
おそらく、みなさんが気にしているほど、
物質の移行って、簡単には起こりません(笑)

 

一概に言えないところがこの「移行性」という扱いを
難しくしているところですし、

断言できないところもちょっと厳しいところですが、

 

一般には、高温と高圧、時間経過の条件によって
物質は移行しやすくなると言われています。

 

そんなのわかってるよ、その境界がどこなのか知りたいのさ!
って声が聞こえてきそうですが・・・(笑)

 

ここがね、難しいところなんです。

 

 

というのは、
「フタル酸エステル類を含有している材料」と一言で言っても、

 

含有している物質も違う、含有濃度も違うということになると、
一言で「こうですよ」と言えないんですね。

 

ただ、気にしておけばいいかなと思うのは、
「均質材料」というところですね。

 

均質材料って、「組成が均一な材料」ということでしたね。

 

RoHS的に言えば、
剥がしたり削ったりできるものを全て除いて同じ組成のものだけにした材料
ということで、

 

塗装された鋼鈑材料は「塗装+鋼鈑」に分けられますし、
亜鉛めっきされた鋼材のねじだったら「亜鉛めっき+鋼材のねじ」ですね。

 

亜鉛めっきの上ににクロメート処理がしてあるなら、
「亜鉛めっき+クロメート+鋼材のねじ」です。

 

このクロメートっていうところが、
三価クロムか六価クロムかで、一時は業界が混乱したわけです。

 

 

あっ、そんな話はよくって、フタル酸エステル類の話に戻すと、

 

フタル酸エステルの移行が起こったところで、
結局 濃度計算する分母は「均質材料」でいいよね、

という話をしたかったんです。

 

たとえフタル酸エステル類が移行したとしても、

接触していたところの濃度は高いかもしれないけれど、
それって局所的だよね、

 

結局のところ、
均質材料の質量で均一にならされる(割り算されて濃度を出す)ので、
濃度は薄まるよね、

 

ということが言いたいんです。

 

局所的に10%になったところで、
均質材料の分母が大きければ0.1%超えないんじゃないの?

ということです。

 

移行って、ちょっと正確に言えば、接触しているときだけでなくって、
フタル酸エステルが気化して違う材料に付着しても起こるらしいです。

 

でも、そんなのは無視していい程度の濃度にしかならないはずなので、
接触だけを気にすればいいということなんですが、

 

そうだとしても、さっき言ったとおりで、
ピリピリするほど、そんなに気にしなくてもよさそうだよ、
という感じです。

 

 

とはいっても、何かしらの指針が欲しいところですよね。
私も欲しい(笑)

 

今検討されているガイダンスが出てきたら、
その内容を元に、もう少し詳しい話ができると思います。

 

今日は、一般的な話しかできていませんが、
一応、フタル酸エステル類の移行性というところを少しお話しました。

 

続きは年内中にできるかな?どうかな?というところです。

ガイダンスが出てきたら、続きをお話しますね。

 

 

それではまた次回!


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