ANNEX IIIの 6(a)-Iの適用範囲の解釈について


今回は、
ANNEX IIIの 6(a)-Iの適用範囲の解釈について
考えてみたいと思います。

 

先回は、全てのカテゴリに適用できる適用除外用途のリスト、
ANNEX IIIの6(a)の有効期限についてお話してました。

 

バックナンバーはこちら。

ANNEX IIIの 6(a)の有効期限について

 

 

で、この6(a)は、カテゴリ1~7、10の製品については
有効期限が切れたら6(a)-Iが適用になるよ、という内容でしたね。

 

この6(a)-Iの適用範囲、

 

つまり、どんな用途で使っているなら
閾値を超えて規制対象物質を含有していても許されるか、

 

ということですが、

原文は以下のようになっています。

 

<原文>
Lead as an alloying element in steel for machining purposes
containing up to 0,35 % lead by weight and in batch hot dip
galvanised steel components containing up to 0,2 % lead by weight

 

これを和訳すると、

 

<日本語訳>

機械加工用の鋼材中に合金成分として含まれる0.35wt%の鉛
および
バッチ式の溶融亜鉛めっき鋼材部品中に含まれる0.2wt%までの鉛

 

と私は訳しているのですが、
ここで私、ちょっと疑問が沸いたんですね。

 

 

「機械加工用の鋼材中に合金成分として含まれる0.35wt%の鉛」
こっちは全然問題ないんです。

今までどおりなんで。

 

疑問なのはこっち。
「バッチ式の溶融亜鉛めっき鋼材部品中に含まれる0.2wt%までの鉛」

 

「溶融亜鉛めっき鋼品中」と訳されている方もいらっしゃって、
同じ意味と とっていいと思っていますが、

 

疑問なのは、「0.2wt%」が何を表しているかなんですね。

 

何を分母として考えればよいか、
といったほうがわかりやすいかもしれません。

 

この「溶融亜鉛めっき鋼材部品」は、私は
いわゆるドブづけで溶融亜鉛めっきされた部品のことを
表していると解釈しています。

 

屋外で使うようなボルトやナットなど、
たとえば、ガードレールのボルトやナットなどのような
ドブづけで溶融亜鉛めっきされた部品のイメージです。

 

あっ、もちろん、ガードレールはRoHS2の対象製品ではないし、
あくまでも例としてわかりやすいかなと思って挙げただけですよ。
こういう部品、ということで。

 

 

私が解釈している「溶融亜鉛めっき鋼材部品」とは、
上記のような部品のイメージなんですが、

 

「このときに鉛の濃度の分母を何にするのか」
というのが疑問だ、という話なんですね。

 

英語から日本語訳すれば、上記のようになると思いますが、
おそらく、2つの解釈が出てきているのではないかと。

 

1つめは、
部品中に含まれる0.2wt%までの鉛として解釈する。

 

つまりは、
部品の質量を分母にして、めっき中の鉛の質量を分子にして計算する
という解釈ですね。

 

ボルトの話なら、溶融亜鉛めっきされたボルトの質量を分母にして、
めっき中の鉛の質量を分子にして計算するということです。

 

 

そして2つめは、
溶融亜鉛めっき鋼材部品中の「めっきに含まれる鉛」という解釈です。

 

ボルトの話なら、ボルトのめっきの質量を分母にして、
めっき中の鉛を分子にして計算するということですね。

 

1つめの解釈だったら現状の6(a)よりも適用範囲がゆるくなります。
逆に、2つめの解釈だったら適用範囲は厳しくなります。

 

 

初めにこの6(a)-Iを読んだとき、
「あっ、適用範囲、ゆるくなってる・・・。」って思ったんですよ。

 

でも、適用除外用途の適用範囲がゆるくなるなんてことは
ちょっと考えられないので、

 

おそらく2つめの厳しいほうの解釈をするのが正しいんでしょうね。

 

スッキリしないといえばスッキリしないんですが、
規制当局に問い合わせてやぶへびになるのもバカバカしいですし、

 

かといって、ゆるい条件の適用範囲で適用OKかと言われたら
ちょっとリスク高いし・・・って考えちゃいますね。

 

ということで、
2つめの解釈をするほうが安全だということになりそうです。

 

 

今でも、私の会社内で解釈が割れてますが、
ドブづけの溶融亜鉛めっき中の鉛が0.2wt%までならいいわけですし、

 

一度 含有している鉛の濃度を測定するのもいいかもしれませんね。

 

鉛なら蛍光X線分析でおおよその含有濃度がわかりますし。

 

ただ、ドブづけの溶融亜鉛めっきの場合は、
鉛の濃度にムラが出る可能性があります。

 

そこだけ気をつけて、
分析サンプルを選べばよいのではないかと思っています。

 

 

それではまた次回!


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